
「配偶者にすべて相続させる遺言を書こうと思います。
でも、自分で書くべきか、公証役場で作るべきか迷っています。」
遺言の内容が決まった後、多くの方がこの点で悩まれます。
遺言には主に
自筆証書遺言と公正証書遺言の2つの方法がありますが、
それぞれに特徴があり、向いているケースも異なります。
この記事では、違いと選び方のポイントを分かりやすく解説します。
自筆証書遺言とは
自筆証書遺言は、本人が自分で作成する遺言です。
・紙とペンがあれば作成できる
・費用がほとんどかからない
という手軽さが特徴です。
一方で、
・形式不備で無効になるリスク
・内容が不明確になる可能性
・紛失・改ざんのリスク
といった注意点があります。
公正証書遺言とは
公正証書遺言は、公証役場で公証人が作成する遺言です。
・法律の専門家が内容を確認
・原本が公証役場に保管される
・相続開始後すぐに手続きに使える
といった点で、確実性が高い方法です。
自筆証書遺言と公正証書遺言の主な違い
① 無効になるリスク
自筆証書遺言は、
・日付の不備
・署名押印の漏れ
・修正方法の誤り
などにより無効になることがあります。
一方、公正証書遺言は公証人が関与するため、
👉 形式不備で無効になるリスクは極めて低いといえます。
② 相続開始後の手続き
自筆証書遺言は、原則として家庭裁判所の検認が必要です。
そのため、
・手続きに時間がかかる
・すぐに相続手続きに進めない
という点があります。
公正証書遺言は検認が不要のため、
👉 速やかに名義変更などの手続きに進むことができます。
③ 紛失・発見されないリスク
自筆証書遺言は、
・保管場所によっては見つからない
・家族に存在が知られていない
といったリスクがあります。
公正証書遺言は公証役場に保管されるため、
👉 紛失や未発見のリスクはほとんどありません。
公正証書遺言のデメリット
確実性の高い公正証書遺言ですが、注意点もあります。
① 費用がかかる
・公証人手数料
・証人費用(依頼する場合)
などが必要となり、数万円〜十数万円程度かかるのが一般的です。
② 作成に手間と時間がかかる
・必要書類の収集
・内容の事前調整
・公証役場との日程調整
などが必要となり、すぐに完成するものではありません。
③ 内容を完全に秘密にできない
作成時には、
・公証人
・証人2名
が関与します。
そのため、完全に一人だけで内容を完結させることはできません。
④ 修正には再作成が必要
内容を変更する場合は、
・新たに遺言を作り直す
・再度費用がかかる
といった対応が必要になります。
どちらを選ぶべきか?
選び方は、次のように整理すると分かりやすいかもしれません。
● 自筆証書遺言が向いているケース
・費用を抑えたい
・内容がシンプル
・自分で管理できる
● 公正証書遺言が向いているケース
・確実に遺言を実現したい
・配偶者に確実に財産を残したい
・相続手続きで家族に負担をかけたくない
子どもがいない夫婦の場合
子どもがいない夫婦の場合、
・配偶者以外の相続人が関与する可能性がある
・トラブルを未然に防ぐ必要性が高い
という特徴があります。
そのため、
👉 確実性を重視して公正証書遺言が選ばれるケースが多い傾向にあります。
まとめ
自筆証書遺言と公正証書遺言は、
・手軽さを重視するか
・確実性を重視するか
という違いがあります。
特に、
👉「配偶者にすべて相続させたい」
というような重要な内容の場合は、
確実に実現できる方法を選ぶことが重要です。