
遺言書があれば、相続手続きは何もしなくても終わるのでしょうか?
結論から申し上げると、遺言書があっても相続手続きそのものが不要になるわけではありません。
しかし、遺言書があることで、相続人同士で遺産の分け方を話し合う「遺産分割協議」が不要になる場合が多く、相続手続きをスムーズに進められるという大きなメリットがあります。
今回は、遺言書が相続手続きにどのような影響を与えるのかを解説します。
遺言書がない場合は遺産分割協議が必要
遺言書がない場合は、相続人全員で遺産の分け方を決める必要があります。
これを「遺産分割協議」といいます。
遺産分割協議では、
・相続人全員を確定するための戸籍収集
・相続人全員の合意
・遺産分割協議書の作成
・相続人全員の署名・実印による押印
などが必要になります。
相続人が遠方に住んでいたり、意見がまとまらなかったりすると、手続きが長引くことも少なくありません。
遺言書があれば遺産分割協議が不要になることが多い
有効な遺言書があり、財産の分け方が明確に記載されている場合は、その内容に従って相続手続きを進めることができます。
そのため、多くの場合、相続人全員で遺産分割協議を行う必要がありません。
これは、
・家族間の話し合いによる負担を減らせる
・相続人同士のトラブルを防ぎやすい
・相続手続きを早く進めやすい
といったメリットにつながります。
それでも必要な相続手続きはある
遺言書があっても、次のような手続きは必要です。
・戸籍など必要書類の収集
・預貯金の解約・払戻し
・不動産の相続登記
・株式などの名義変更
・相続税の申告(必要な場合)
つまり、遺言書は相続手続きをなくすものではなく、「手続きを円滑に進めるためのもの」と考えるとよいでしょう。
公正証書遺言ならさらに安心
公正証書遺言には、相続手続きを進めるうえで大きなメリットがあります。
例えば、
・公証人が作成するため方式の不備が生じにくい
・原本が公証役場に保管されるため紛失のおそれが少ない
・家庭裁判所での検認手続きが不要
といった点が挙げられます。
相続人にとっても、安心して手続きを進めやすい遺言書といえるでしょう。
遺言書は家族への思いやり
遺言書は、自分の財産をどのように引き継いでもらうかを決めるだけではありません。
残された家族が、
・誰に相談すればよいか分からない
・遺産分割協議で悩む
・相続人同士で対立してしまう
といった負担を減らす役割もあります。
「家族に迷惑をかけたくない」という思いがある方にとって、遺言書は大切な備えの一つです。
まとめ
遺言書があっても、預貯金の払戻しや不動産の名義変更などの相続手続きは必要です。
しかし、遺産分割協議が不要になる場合が多く、相続人の負担やトラブルを大きく減らすことが期待できます。
特に、公正証書遺言は相続手続きをスムーズに進めやすいというメリットがあります。
将来、ご家族が安心して相続手続きを行えるよう、元気なうちから遺言書の作成を検討してみてはいかがでしょうか。
当事務所では、公正証書遺言の作成支援から相続手続きまで、丁寧にサポートしております。お気軽にご相談ください。